トヨタの期間工で働くことに興味はあるけどネットで調べるとキツイとか過酷とかけっこう大変そうでネガティブな情報を目にするとおもいます。
そこで本記事ではトヨタ期間工に2回赴任した経験があってトヨタの某子会社の社員歴10年以上のぼくが期間工が配属されやすい職場の仕事内容を紹介します。
けっこういろんな職場を経験しているので参考になるとおもいます。経験のない職場に関しても経験者の話を直接聞いて書いているので信頼性はあるかと。それではさっそくいきましょう。
もくじ
トヨタ期間工がきつい4つの理由
実際にトヨタの期間工に2回赴任してみて感じたきついと感じるポイントを本音で書いていきます。
トヨタのライン作業というのは自動車の期間工の仕事のなかでも過酷と言われています。実際のところどうなのかをかいていきます。
独り立ちしてから慣れるまで
作業を教えてもらっている教育期間のときは教育をしてくれている人がバックアップしてくれるのでそんなに過酷ということはありません。
一通り作業を教えてもらってだんだんと作業を覚えていくと、できる限り自分だけで作業するように言われ作業遅れしたとき以外は自分で作業をするようになっていきます。
大雑把な流れはこんな感じ。ほとんどの工程は教育期間は2週間で3週間目からは独り立ちするように言われるます。
独り立ちしてすぐはどの工程でも正直きつい。独り立ちしてからのしんどさは工程によってはかなりつらくて、ここで辞めてしまう人もいるほどです。
独り立ちしてラインのスピードに間に合わなかったら「リリーフを呼んでくれ」と言われますが呼び出す余裕すらありません。
独り立ちしてからの3ヶ月くらいは本当にしんどい。工程によっては慣れるまで、仕事が終わると寮に帰って風呂にはいって寝るだけといった生活になります。
実際にぼくは組立のトリムという職場に配属されたときはメチャクチャ体力がきつくて最初のうちは帰って風呂にはいるとすぐ寝ていました。
1秒単位で作業を管理
作業は1秒単位で管理されてます。
ラインの早さ1分でボデー1台分の速さで流れているとしたら、作業は1分間いっぱいの作業を詰め込まれています(正確に言うと次のボデーまで歩く時間は確保されている)
もし2秒くらい余裕がありそうとなれば2秒ぶんの作業を増やすといったぐあいで秒単位で作業を管理しています。
なのできほんてきに作業に余裕がある工程というのはトヨタの現場では作りません。もちろん例外はあるかもしれませんが。
ですがきほんは作業中に手や動きが止まるということはないです。この手や動きが止まることがないのが体力がきつい理由でもあります。
作業が単調
作業がとにかく単調なのもきついと言われる理由の一つです。
期間工のほとんどの人はライン作業をやることになるんですが、とにかく決まった動きしかしなくて作業が単調なんです。
ライン作業のばあいは車種やグレードごとに作業内容がすこし異なったりもするんですが、基本的には車種が違っても同じような動きしかしないんです。
なので一日に300台生産するとしたら300回同じ動きをひたすらくりかえすんです。この単調な動きのくりかえしもキツイと言われる理由の一つになります。
ライン作業以外の物流やライン外の作業でもきほんは同じ動きをくりかえす作業になります。
2交代制
2交代制ってきついの?っておもう人もいるかもしれませんがきついです。今まで話してきた作業のきつさに加えて2交代制というのもなかなかきついです。
2交代の経験がない人はさいしょは生活のリズムをつかめず眠たそうにしています。1週間ごとに朝勤と夜勤が入れ替わるので切り替えがむずかしいです。
とくに朝勤の月曜日は切り替えがむずかしくて1日中ねむたいなんてこともあります。しょうじき慣れない人はずっと慣れないとおもいます。
実際に長く働いているベテランの社員でも2交代は慣れないという人もいるほどです。自分なりに対策してすこしでも2交代にならしていくしかありません。
トヨタ期間工はきついけどメリットも大きい
収入がそこそこ多い
まずは収入がそこそこ良いところです。
トヨタの期間工の募集ページを見ると1年目の年収が「425万円以上可能」と書いています。実際に働いてみると給料と満了金をあわせるとこのくらいは普通に稼げます。
満了金というのが大きくて半年ごとに支給されるんですが、だいたい45万~60万円くらいもらえます(在籍期間などにより支給額は異なる)
このように中小企業の正社員をするよりもトヨタで期間工をしている方が収入が多いんじゃないかというくらい収入が多いです。
生活費が食費以外にほとんどかからない
トヨタの期間工はきほんはトヨタの寮に住み込んで働きます(自宅から通勤する人もいる)
トヨタの寮はワンルームで風呂や洗濯機が共用で台所がないといった感じのところがほとんどなんですが寮費や光熱費が無料なんです。
だから寮に住んでいる人は生活にかかる費用は実質「食費」のみです。もちろん携帯電話など個人で契約しているもののお金はかかりますが生活費はほとんどかかりません。
この生活費が少なくてすむのもトヨタ期間工の魅力なところです。
貯金が貯まりやすい環境
収入が多くて生活費がほとんどかからないのでお金が貯まりやすい環境なんです。
おまけにトヨタのほとんどの寮の周りはわりと田舎で平日に近場に遊ぶ場所もないのでムダ使いもしにくい環境です。
残業がどれくらいあるかにもよりますが、ふつうに生活していれば1年で150~200万くらいは貯めることは可能ですし、強者の人だともっと貯めこんだりします。
ということでギャンブルや夜遊びにハマらなければ普通に大きい金額の貯金ができますよ。
居心地がいい
これもトヨタの期間工で感じることだとおもいます。
わりと居心地がいいんですよね。職場も寮も。なので期間工の人は満了してもまた何回も赴任する人もけっこう多いです(僕も2回赴任しました)
期間工という立場なので仕事でそんなに責任もかからないんですよね。もちろん仕事で不具合を流出したり遅刻すると怒られますよ!
ですがそれって当たり前のことですよね?
ようするに必要最低限の責任しかないので自分の仕事をしっかりこなして社会人として常識のある行動(遅刻や無断欠勤をしない)さえしていれば理不尽なことがないんですよね。
これがトヨタに限らず期間工のいいところだといえます。個人的にはとくにトヨタは社員も期間工も良い人がおおい気がします。
トヨタ期間工の仕事内容
- 車体(ボデー)
- 塗装
- 組立
- 物流
- 検査
トヨタの期間工は大雑把にわけて大体はこの5つに配属されることが多いです。
車体(ボデー)
車体は車の生産の最初のほうの工程です。工程が多くて配属される人も多めです。
金型をプレス機にセットしてボデーやドアや各パーツを生産したり、そのパーツを溶接して加工したりくっつけたりする仕事。
パーツやボデーの鋭利な部分やバリで体を切らないようにおそらくほとんどの職場は夏場でも長そで着装が義務化されているとおもいます。
車体・ボデーの部署の仕事は組立に比べればそこまで体力を使うような仕事ではないですが、一定のしんどさ・きつさはあります。
そして品質にかかわる職場もあるので、なかにはメンタル的なつらさがある工程もあります。
塗装
塗装は工程は多いですが期間工で配属される人はすくないイメージです。わりと社員ばかりで固めている職場なども存在します。
塗装というと色を塗るイメージが強いと思いますが実際に車のボデーの塗装が完成するまでにはいろんな工程があります。
大雑把にはこんな感じなんですが、このほかにもいろんな工程をへて塗装ボデーが完成します。工場によってはバンパーや内装部品などの樹脂成形を生産・塗装する課があるところもあります。
塗装は塗装着を着て作業するんですが工程によっては夏は本当にメチャクチャ暑いです。そして塗料やシンナーをあつかう職場では手や体などについて汚れることも。
塗装の吹付け工程の経験がありますが個人的には体力はそんなにきつくありません。塗装は品質がかなり重要なのでやはり工程によってはメンタルがきついです。
塗装の後工程のほうは残業が長い傾向にあります。
組立
おそらくトヨタに限らず車の工場では1番と言っていいくらい人が多いとおもいます。
期間工の人でも組立に配属される人は多いです。とにかくエンジンや車体のありとあらゆるところの組み立てを行っていきます。
ほとんどの組立の職場ではインパクトを使う工程が多いんじゃないですかね。組立はどの工程も慣れるまでは体力の消耗が激しくかなりきついです。
私は組立のトリムという内装の組立の経験がありますが体力がかなり消耗してしんどかったです。慣れても金曜日は疲れが溜まってきついので口数がすくなくなっていたのを覚えています。
ただし服や手などが汚れるような工程はほとんどなく、メンタル的にきついっといった工程もほとんどありません。
組立はほぼ体力勝負の仕事といっていいでしょう。残業はほかの部署に比べてすくないです。
物流
物流は各課に職場があったり組立だと課があることも。工程自体がおおくないため配属される人はすくなめです。
おもに牽引車にのって部品を運んだりラインサイドの部品を供給するのが仕事です。フォークリフトでパレットを段積みしたりバラしたりするような職場もあります。
物流の仕事はライン作業者からすれば楽に見えるかもしれませんがけっしてメチャクチャ楽なんてことはありません。
確かに体力面で見ればライン作業より楽ですし気持ちもまぎれますが時間に追われのでメンタルがしんどい仕事です。
部品を欠品させたりすると最悪ラインが止まってしまうのでぜったいに遅れることができないプレッシャーとのたたかいです。
あと似たような部品を扱っているので工程に供給する部品を間違えるとこれも最悪ラインを止めてしまう原因になりけっこう怒られたりします。
私はフォークリフトを持っていて物流の職場の経験がありますが、忙しいときはかなり時間に追われるのと後工程からのプレッシャーがなかなかのものです笑
検査
完成車の検査のしごとです。工程自体がおおくないので配属される人はすくないです。
とにかく完成車のありとあらゆるところの検査をおこなうのが仕事です。体力的にはほかの仕事に比べて楽ですがやはりメンタルにくる仕事です。
万が一見落としがあればそのまま市場に出回ってしまうのでほんとうにプレッシャーのかかる仕事です。
トヨタ期間工の職場の人間関係について
期間工同士の人間関係
ぼく個人の見解ですがトヨタの期間工の人はクセのある人や変わった人はすくなく感じました。
これはやはりトヨタの面接はそこそこ厳しく見ているからだとおもいます。多額の借金がある人や不真面目そうな態度の人は面接でふつうに落とされます。
なので期間工での人間関係に悩むことはすくないかと。
むしろ寮生活にひつような物とか食料品はどこで買うと安いとか教えてくれる親切な人がおおいです笑
一緒の時期にはいった同期の期間工と仲良くなってご飯いったり休みの日を過ごしたりすることもおおいです。
人間関係がめんどくさいなら仕事だけでの関係でも問題ありません。お金を貯める目的で期間工になった人はムダ使いを避けるために人付き合いをしないといった人もいます。
とにかく人がおおいのでいろんな人がいますが期間工同士でトラブルがあったばあいは上司に相談するのがてっとり早いです。
期間工同士の人間関係できついと感じることはよっぽどないかとおもいますよ。
期間工と社員との人間関係
期間工と社員の人間関係もふつうに仕事をこなしていたらとくにきついというようなことはないですが、なかにはクセのある人はいます。
やはり人がおおい会社なのでいろんな人がいます。仕事を教えてくれる人が優しい人もいればスパルタな人もいます。
ただ意味もなく嫌がらせをしてきたり暴言をはいてくる人はいなかったですし聞かないですね。なにかきついことを言ってくるとしたらやはり仕事のことですね。
ただ仕事のこととはいえあまりにひどいことをいってきたり耐えられないほどの暴言を言ってくる人がいるならやはり上司に相談・報告するべきです。
社員が期間工をいじめて辞めさせてしまったとなればわりと問題になったりします。ただ社員の人も仕事なのである程度きついこと言ってくるのは仕方のないことではあるのですがね。
ちなみに気があったり同じ趣味がある人だったりしたら期間工と社員が仲良くなって休日に遊んだりする仲になることは普通にあります。
けっきょく社員も期間工も人間なんであうあわないがあるだけですよ。
期間工と上司(職制)との人間関係
トヨタの工場の職場にはそれぞれGL(グループリーダー)とTL(チームリーダー)といった職制と言われる人がいます。
簡単に言うとGLが職場の責任者・管理者で、TLは職場のそれぞれの持ち場の責任者・管理者でGLの補佐役といった感じです。
GLは職場に1人ですがTLは職場の規模や人数によって1~3人くらいと人数が異なります。
もちろんGLとTLにもいろんな人がいますが、仕事のこと以外で怒られたり揉めたりすることはまずないと言っていいでしょう。
やはりGLやTLになるまでにいろんな経験や教育をされているので期間工と揉めるといったようなことは見ないですし聞かないですね。
もちろん趣味や気があえば話も弾みますよ笑
仕事に対しては厳しく言われることもあるかもしれませんが、期間工の人が上司との人間関係がきついってことはほとんどないとおもいます。
トヨタ期間工がきついのは最初の1~3ヶ月だけ
長くなりましたがこのあたりで終わりにします。
今回は「トヨタの期間工が配属されやすい職場の仕事内容を紹介」ということで記事にしました。実際には工程ごとに仕事内容も違うので一概にどこがしんどいなどは言えませんが。
けっきょくトヨタの期間工できついのは仕事が単調なところと体力面だけの話です。それも慣れてしまえばそこまで苦に感じることはないです。
むしろ作業中はよけいな人間関係がないぶん気楽に感じる人もいるはずです。とくに過去に接客や営業の仕事をしていた人からすれば慣れてしまえば気楽に感じるはずです。
なのでネット上に書かれている「トヨタの期間工はきつい」といったこともけっきょくは働く人しだいで感じ方がちがうということです。
迷っているなら応募してみるのもアリなんじゃないかなとおもいます。実際に働いてきついと感じるなら更新しなければいいだけですからね。
今回は以上になります。